神戸のルミナリエが久しぶりに開催された2024年1月。
ルミナリエを見に埼玉県から神戸に1泊で旅行にこられたご家族。一人娘さんなのでしょう、お母さんとお父さんに挟まれて、少し緊張した面持ちでカウンターに着かれました。
この10歳くらいのお嬢さんがスコーンが食べたいとおっしゃってGoogleで検索してご来店いただいたようです。
お母さんとお嬢さんはミルクティー、お父さんはカフェオレをご注文になり、もちろんスコーンもみなさんご注文いただきました。
女の子は、小声でおいしいと言いながら、時々ご両親に耳打ちするようにお話しされて、楽しそうに召し上がっていました。
スコーンにはクロテッドクリームとジャムを添えています。お嬢さんはクロテッドクリームがとても気に入ったご様子で、意を決して?私に、『このクリームはなんですか?』と質問してくださいました。クロテッドクリームっていうのですよとお伝えすると、小さな声で復唱されて、『クロテッドクリームのおかわりをください。』とおっしゃいました。
大人のお客さまは2/3くらいの方がクロテッドクリームを残されます。たっぷりつけて召し上がっていただきたいので、残されることが続いても量は減らさずお出ししています。正直片づける時に、残っていると勿体無いなとは思うのですが。
クロテッドクリームにまつわるちょっとしたお話もさせていただくと、お父さんが、『じゃあ、エリザベス女王がするように食べてみたら』とおっしゃってお嬢さんはまずジャムを乗せ、その上にたっぷりとクロテッドクリームをのせて召し上がっていました。
後からお聞きすると、お出かけのたびに色々な場所でスコーンを召し上がるのだそうです。でも生クリームやバターのようなものが付いていることが多いそうで、クロテッドクリームは初めてだと思うと。
帰り際、お父さんがクリームの名前は?とお嬢さんにお尋ねになると、『クロテッドクリーム!』と答えていらっしゃいました。
ごちそうさまでしたと丁寧におっしゃって階段を降りて行かれたその時に、
『今まで食べたものの中で一番おいしかった。』とお嬢さん、お母さんが『えっ、全部の中で?』『うん』そんな会話が聞こえてきました。
おいしいと言っていただくことはもちろん、10歳位の女の子にクロテッドクリームを知ってもらえたこと、伝えられたことに喜びを感じました。
とても嬉しくて、ここでお店を終えてもいいなぁと思えるくらいしあわせで嬉しい10歳の女の子の言葉でした。